雪道で転ぶ人の姿をみて、事業でコケる企業の姿を連想した話

こんにちは、AZOです。

先週の大雪に続き、今週も雪が降り、自転車通学の僕には油断ならない状況が続いています。この1週間で凍結した道で足を滑らす人を数多く目にしましたが、これをみてふと思ったことがあったので今回の記事を書いて見ました。

 

なぜ凍った道で転んでしまうのか

まず、人が凍った道で転んでしまう現象について考えてみたいと思います。僕は、ポイントは身体の重心の位置にあると考えています。これについて考えるにあたって、①凍った地面で滑ってしまうこと②滑った結果として転んでしまうことについて考えてみます。

 

①凍った地面で滑ってしまうこと

これについては、物理を勉強している方なら大体わかるのではないでしょうか?

凍った地面で滑ってしまう現象は、普通の地面と凍った地面の摩擦の違いによって生じています。ツルツルした地面の上では足を滑らせることは簡単ですが、普通の地面では足を横に滑らせようとすると引っかかりますよね。

しかし、そもそもの摩擦、すなわちツルツルするかどうかとは別のところにあります。

みなさん、凍った地面の上で立っている自分をイメージしてみてください。そのままその場で真上に跳んでみたとしましょう。果たして地面を滑ることはあるでしょうか?

真上に飛ぶだけだったら滑ることはまずないでしょう。これが凍った地面で滑ってしまうことのポイントです。

私たちは歩くときに足をあげて、前に下ろすということを繰り返していますよね?これが普通に足を地面に対して垂直に上げて下ろしていれば、滑ることはないのです。

それにも関わらず凍った地面で滑ってしまうということ。これは私たちが歩くときに、少なからず水平方向に力が加わっていることを意味しています。つまり、私たちは歩いてる時に足を上げて下ろしているだけでなく、横向きにも動かしているということです。

これが、凍った地面で滑ってしまうことの要因です。

 

②滑った結果として転んでしまうこと

さて、凍った地面でちょっと滑ってしまうことはみなさんこの1週間で経験したのではないでしょうか?

しかし、その上で転んでしまう人とそうでない人の違いはどこにあるのでしょうか?

その答えが、重心の位置にあると考えています。

具体的には、上げた足を地面に下ろすときに、体重が後ろの足に残っている人が、凍った道で転んでしまう人です。一方で、転ばない人は、足を着地するときに、重心が前足と後ろ足の真ん中にきています。

これは非常に単純な話です。例えばみなさん、まずは直立の状態で体を後ろに少しずつ倒してみてください。そして、次に足を前後に広げた状態で体を後ろに少しずつ倒してみてください。おそらく後者の方が後ろに倒れる不安な感じが少ないのではないでしょうか?

これと同じことが凍った道では起こっているのです。重心を後ろ足に残してしまうと、少し滑ってしまったときに体勢が大きく崩れてしまい、結果的にツルっといってしまうわけですね。

 

凍った道で転ぶことが、企業の失敗に似ている

さて、凍った道で転んでしまうことについて簡単に述べてきましたが、本題はこちらです。

昨今では、ビジネスは大きく変化しており、企業も持続的に自分たちを成長させていかなければなりません。

 

成長にあたっては、企業は次々と新たな製品を開発したり、サービスを開始したりしていますが、ここにおいても「重心の置き方」が重要になってきます。具体的には、企業は自分たちの製品やサービスではなく、自社の確固たる理念を軸(重心)に据えることで成功を勝ち取ることができるのです。

 

ここで、分かりやすくTSUTAYAを一つの事例として元に考えてみたいと思います。

 

理念に従い、成功したTSUTAYA

TSUTAYAの名前を聞いたときに、皆さんは何を思い浮かべますか?

最近では書店のイメージが強い気がしますが、少し前まではレンタルDVD・CDの事業を中心に全国展開していました。

しかし、映画やドラマをネットで観ることのできるNetFlixなどのサービスや、YouTubeによる人々のみる映像の変化によって、レンタルDVD事業の需要は徐々に減少してきているのが現状です。

 

そんな中、TSUTAYAは店舗を大きく変化させることで、会社としての売上を増加させているのです。

代官山や六本木をイメージしてもらえるとわかると思うのですが、今ではTSUTAYAはレンタルショップではなく、書店であったり、カフェであったりします。

DVDやCDのレンタルをしていた会社がこのような大きな変化を遂げて、成長を続けるのは正直びっくりですよね。

そして、TSUTAYAを経営する会社の理念を調べてみると、このように書かれていました。

「ライフスタイルを提案する」

そうなんです、そもそもTSUTAYAはレンタルショップではなく、ライフスタイルを提供する企業だったのです。

結果として大きな転換に成功し、TSUTAYAは売上の向上に成功することができました。

 

自社の軸を捉えられず、失敗したパナソニック

一方で、自分たちの製品に注力しすぎた結果として大きな損害を受けたのが、かの有名なパナソニックです。かつては製品が広く流通し、なんとなく親近感のあったパナソニックでしたが、今ではあまり名前を聞かないという人も少なくないのではないでしょうか。

パナソニックの失敗、それは2000年代の頭に行われたプラズマテレビへの巨額投資です。

(言われてみれば当時はテレビの高画質を売りにした新製品が次々と出ていた気がしますが)、パナソニックはより高画質なテレビを販売することで売上を拡大しようとしました。

しかし、プラズマテレビは思うように売れず、企業は大赤字を計上することとなりました(プラズマテレビなんて全然聞かないですよね)。

というのも、市場ではより高画質のテレビは求められていなかったのです。さらには海外企業の低コスト製品によってパナソニックの海外売上は思うように伸びず、スマホの普及によってテレビ自体の価値も低下してしまった始末です。

一方で、パナソニックは創設者の松下幸之助さんが掲げた素晴らしい理念が存在しています。本来であれば理念に沿って次世代を支える製品を世に送り出し続けることがあるべき姿であったのにも関わらず、主力製品に重心を置いた結果、このようなことになってしまったと考えられます。

 

変化の激しい世の中だからこそ、根本の価値観を忘れないことが大切になる。

今日の変化の激しい世の中において、自分たちの理念を正しく理解し、それに沿って行動し続けることは簡単なことではありません。大きな組織であればなおさら難しいことです。

しかし、だからこそ自分たちの理念、すなわち根本の価値を一つの大きな軸として持ち続けることがより重要になってきます。

日々の仕事・勉強などとはなかなか結びつきにくい話ではありますが、頭の片隅にでも留めておいてもらえればと思います。

 

根本の価値観を取るべきなのは企業も個人も同じ

最後に、このようなことは企業だけではなく、個人においても言えることです。社会の環境も大きく変わり、個人のキャリア形成も大きく変化する時代がきたと思いますが、大事なのは自分の将来的なビジョンだと思います。

金融の知識、プログラミングスキル、計算能力....自分の強みになりそうな能力はたくさんあると思います、しかし、市場において能力の重要性は日々変化していきます。そして、一つ一つの能力はいくらでも後天的に身につけることはできます。

このような世の中だからこそ、能力ではなく自分のビジョンを軸に人生を設計することが大事なのではないでしょうか。

 

 

果たしてお笑いは非論理的なのか

就職活動をしていた時に、とあるサイトの掲示板を見ていた。

A:「面接官に刺さるような面白い話ができるようになりたい」

B:「面白いって言ってもどう面白いかによって全然違くない?お笑いみたいなところだったら論理的とはかけ離れてるし」

 

こんな投稿もありました。

A:「コンサルに行く人って面白くない奴が多い印象」

B:「面白いは論理的とは真逆だからな、論理的思考を極めているコンサルが面白くないのはしょうがない」

 

さて、コンサルに人が面白いかどうかは別として、お笑いは果たして論理的ではないのでしょうか?

果たして「面白い」という一つの言葉で括られているものは、非論理的代表であるお笑いと、論理的で関心できる話として、全く別な性質なものを表しているのでしょうか。

僕はここに違和感を抱いたので今日は少しばかり考えてみました。

 

お笑いは相手の予想を裏切ること、そしてそれを納得させることである

お笑いと言っても日常的なものからバラエティでのトーク、ロケ、漫才・コントなど様々あると思います。今回はわかりやすく漫才・コントについて考えてみようと思います。

 

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さて、今回はみなさんにイメージしてもらうために、一つコントを用意しました。キングオブコントにもあった有名なコントですね。今回はこれを題材に、お笑いのロジカルさについて考えています。

 

ボケは相手の予想からそれることで笑いのタネを生み出している

お笑いコンビは基本的にボケとツッコミの役割が与えられていますよね。サンドウィッチマンのボケ担当の富澤さんは「面白い」発言をして聴衆を笑わせていますが、特別なことをしている訳ではありません。やっていることは単純で、聴衆の予想外のことを言っているのです。

 

例えば、上のコントにおいても、

伊達さん(以下伊):「ビッグバーガーセット」

富澤さん(以下富):「ビッグバーガーを千個で」

普通のファストフード店でもよくある、店員が注文を確認するシーン。その日常的なシーンを考えると、富澤さんも確認として「ビッグバーガーセット」と繰り返すことを予想してしまいますが、そこであえて別のことを言うのです。しかも、個人客の伊達さんが注文をする時に、いきなり千個のセットを頼むとは誰も思わないでしょう。

 

ここで大切なのは、予想外のことを言うことなのですが、それをするためには、予想外のことを言うだけではなく、会話をある形で予想させることが必要になります。

上のシーンでも、富澤さんが「ビッグバーガーを」と言った時点で、普通であれば注文をそのまま繰り返すだろう、という予想が立てられると思います。

 

つまり、ボケにおいて重要なのは、聞き手の予想を裏切ることであり、そのためには予想を立てさせることと、立てさせた予想を裏切ることが重要なのです。

 

 

予想外の発言に納得感を与えるのがツッコミ

さて、ボケ担当がやっていることについて考えてみましたが、これだけでは不十分です。

 

例えば上のコントの冒頭において、

富:「いらっしゃいませこんにちは!いらっしゃいませこんにちは!いらっしゃいませこんにちは!」

伊:「ブックオフかっ!」

 

このやりとりも、伊達さんが入店した時に、店員の富澤さんが「いらっしゃいませこんにちは!」と言うのが予想として起こることでしょう。しかし、富澤さんはなぜかそれを3回繰り返すということをやっています。

しかし、これを聞いた時点では聴衆はどう思うでしょうか?「多いな」とか「いきなりなんだ?」とか、挨拶が3回繰り返したことに対してのなんとなくの違和感を覚える程度ではないでしょうか?

 

しかし、そこですかさず伊達さんが「ブックオフか」とツッコミを入れることで、挨拶を3回繰り返すという不可解な現象に対してのある程度の答えを提供し、納得感を与えてくれているのです。

もしかしたら3回繰り返すだけでも予想外のことに対して面白いと思うことはあるかもしれませんが、3回繰り返すことの意味合いがわかることで、なんとなくでも、より面白くなった気がしてきませんか?

 

相手の予想を裏切ることこそが面白い話

以上、お笑いの面白い話について述べてきました。さて、お笑いが面白いというのがどういうことかについて話してきましたが、これは一般的な「面白い話」でも十分言えることだと思います。

そして、同時に、これが実は全くもって非論理的ではないということがわかるでしょうか。

 

相手の予想を裏切ることは、予想をたてさせることと、それを裏切ることの2つに分解することができます。これが基本的な事項に当たると思いますし、面白い話によってそれぞれをどう深堀りするかというのが問題になるのです。

 

少し曖昧な話になってしまいましたが、改めて上のコントを見てみてはいかがでしょうか?

そして、面白くなりたいと思う人は、上のようなことを意識してみてはどうでしょうか?

また、頭がよくなりたいという人も、面白い話を考えながら、頭を鍛えてみてはどうでしょうか?

水曜日のダウンタウンの、二つ目の楽しみ方

 こんにちは、AZOです。今回はあるテレビ番組について思ったことがあるのでそれについて書いてみようと思います。

 日本を代表する様々な芸人が独特の’説’を持ち寄り、検証している番組、『水曜日のダウンタウン』。

 その説のクセやコメントによって独特の切り口から面白いVTRやトークが流れていて、個人的にお気に入りの番組の一つです。

 シンプルにバラエティ視点で見たときに十分楽しめるこの番組ですが、今回は違った視点からこの番組の面白さを考えてみようと思います。

 

芸人が持ち寄ってくる様々な「仮説」

 『水曜日のダウンタウン』では、面白いバラエティ要素だけでなく、世の中の出来事に対して仮説を立てて検証するという科学的、ビジネス的要素が含まれているのです。

 この番組では、芸人が仮説を持ってきています。そして、その検証VTRを通じてその仮説を検証しています。場合によってはちょっとしたサブ仮説のようなものも立てられ、検証されていますが、そのような科学的、ビジネス的視点でこの番組を捉えるとどう捉えることができるのでしょうか。それでは、いくつかの例を見ていきましょう。

 

仮説1:浜田の「結果発表」でカラス撃退できる説

 

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 矢作さんが唱えたこの説、着目したポイントが非常に面白くて、個人的に好きな説です。

 ここでは、ダウンタウンの浜田さんの「結果発表」の迫力がすごくて、声だけでカラスが撃退できるのではないか、といった説が含まれています。そして、実際にゴミ置場に集まるカラスを利用して説を検証しています。その検証方法は下の通りです。

1.「結果発表」の音声を流す”浜田カカシ”を作成し、早朝の上野駅周辺のゴミ置場に設置して、カラスが集まったときに音声を流して検証

→カカシを設置したことによってそもそもカラスが集まらず、効果が検証できず。

2.「結果発表」の音声を流す”浜田カカシ”の頭部のみを同じゴミ置場に設置し、音声によって検証

→音声を流した瞬間にカラスが一目散に逃げ去り、撃退に成功

この二つの実験を通じて、番組上では説が立証されていました。

 これを観ていて、僕は面白いと思った反面、説の立証としての物足りなさを感じました。ポイントは検証プロセスにありました。

 確かに浜田さんの「結果発表」によってカラスが撃退できたので、立てられた仮説を証明することはできています。しかし、いくつか疑問が残りませんか?

 例えば、僕の場合、パッと

・浜田さん以外の音声だとカラスは逃げないのだろうか

・「結果発表」以外の浜田さんの音声ではカラスは逃げないのだろうか

・音量は浜田さんが言った時と同じものだろうか。カラスが逃げるかどうかは音量の問題なのではないだろうか

といったところが気になりました。

 そして、そのようなことを考えたときに、浜田さんの「結果発表」の迫力のすごさを示すためには検証プロセスが不足していること、そしてそもそも立てられている仮説が不十分であるという風に考えました。検証プロセスは上に述べたようなものを加えるべきですし、立てられた仮説も”浜田の「結果発表」は他の人のものより迫力がある”と言った具合に修正する必要があります。

 こんなことは気にしなくても普通に面白いのですが、こうやって捉えると見方が変わってきませんか?

 

仮説2:水族館にいるウニ、栗に置き換えても気づかない説

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 こちらの仮説も、芸人ならではの着眼点で面白く仕上がっていましたね。こちらの説も先ほどと同様にみてみましょう。

検証方法:

1.水族館にいるウニを栗に置き換えて、1営業日でモニタリング、ウニを見て栗だと気づく人がいなければ立証

 この説は最終的に数人の子供が水槽の中を見て第一声として「栗じゃん!」と言ったところがカメラにおさめられており、仮説は棄却されました。大人と比べて個体概念に囚われていない子供だからこそ、水槽の中にあるものがウニではなく栗だということに気づいたという風に捉えられていました。

 さて、一見正しそうにも見えるこの検証ですが、個人的に大きな疑問が残りました。

 それは、”子供が第一声で「栗だ」と言ったことが、ウニと栗を見分けられている証拠として捉えられるのか”ということです。

 このVTRの冒頭でも何人かの子供はウニが何であるかを知らないような部分がありましたよね、おそらく、栗は知っているけどウニは知らない子供は少なくないのではないでしょうか?

 そのような子供は水槽に入った栗を見たときに、それは他にトゲトゲしたものを知らないために栗と認識した可能性はないでしょうか?ウニを知らなければ、水槽に本物のウニが入っていたとしても、トゲトゲしたものとして栗であると認識する可能性は大いにありますよね。

 このようなツッコミ所を解消するには、被験者をウニも栗も知っている大人に絞るなどが有効であると思います。

 

仮説の立て方、検証の仕方を考えてみる

 『水曜日のダウンタウン』は一見普通のバラエティですが、これまでに述べたような仮説検証のプロセスという視点で見ると、また違った視点で見ることができそうですね。

 具体的には、立てた仮説は一体何を確かめようとしているのか。浜田さんの『結果発表』の迫力を確かめたいのか、あるいは浜田さんの声量を確かめたいだけなのかだけでも検証することは変わってきますよね。そして、検証の方法。その検証方法は正しく説の正しさを検証しているのかというところでみると面白そうです。

 もちろん、普通のバラエティとして楽しめるのが良いのですが、こんな見方もしてみてはいかがでしょうか?

 

 

企業と学生のミスマッチよりも大切なこと

 こんにちは、最近様々な活動に手を出しすぎてパンクしそうな学生AZOです。今日は、そんな学生にとって身近なトピックについて考えてみました。読んでみてください。

 

新卒のうち3割が3年で企業を離れている

 このような話を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。そして、これを聞いて、皆さんは何を思いますか?

 

 色々な考えがあると思います。そして、これについてネットで調べてみると、このような記事か多く見られました。

「企業と学生のミスマッチが原因である」

 つまり、企業は自社に合った人材を100%の確率で獲得できていないという主張です。逆にいうと、採用時点で正しく人を見極めることができれば、離職率が下がるという主張です。これについて今回は少し考えてみようと思います。

 

ミスマッチは起こるものと割り切るべき

3割は昔から存在し続けている

 「3年間で3割の人間が離職している」という事実を聞いて、「"最近の"採用は大変だ」と思った人が少なからずいるのではないでしょうか。若者の価値観が変化して、企業が求める人材を獲得するのが難しくなっていると思うかもしれません。

 しかし、これは本当に"最近"に限ったことなのでしょうか。答えはノーです。

 実はこの3割という数字、30年前から変わっていないのです。しかも、おそらく企業はより正しく人材を見極めようと勤めているのにも関わらず、です。

 これは、企業が正しく人材を獲得するための取り組みに失敗しているわけではありません。企業はミスマッチを防ぐための努力をしている一方で、企業の目指す方向の変化や外部環境の変化、学生側の変化によって予定していたほどの成果が出ていないのです。つまり、”企業が求める人材”と、”学生の仕事観”が常に更新され続けており、結果として企業が取りたい人材を取れていないという現状が生まれているのだと僕は考えてます。

離職を止める一番の要素は採用ではない

 離職率が高いと言われているで、採用の精度を上げるということはどのようなことを意味するのでしょうか。

 確かに、採用の精度をあげようと努めること重要な役割を果たしていると言えます。なぜならその努力によって少なくとも7割人材のミスマッチを防げているからです。

 一方で、残りの3割を減らすという視点に立つと、これを採用時の努力だけで減らすのは難しい気がします。この残りの3割は、入社後の取り組みによって改善するべきだと思います。

 具体的には、新入社員に対する上司や人事の接し方を通じてこの問題は解決できると考えています。

 例えば、下のグラフを見てみましょう

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図:会社を辞めた若年労働者の離職理由(データ出典:厚生労働省 平成25年若年者雇用実態調査)

 上のグラフは、アンケート調査の結果において、離職理由として回答者の多かった項目です。これについて気になるとこを話そうと思います。

 

仕事が合わなかった:一言で端的に書かれていますが、一体何が合わなかったのでしょうか?やりたい仕事ができなかったのでしょうか、やりたい仕事が思ったより自分にとってよくなかったのでしょうか。そして、仕事が合わないと感じていた期間はどれくらいなのでしょうか。そもそも仕事が合っていないのではなく、仕事が合っていないと感じているだけなのではないでしょうか。

人間関係がうまくいかなかった:誰との関係でしょうか。同期でしょうか、それとも上司でしょうか。

 

 この二つのことを考えると、必ずしも「ミスマッチ」による離職であるとは限らないと思いませんか?

 やりたい仕事ができない時に会社をすぐに辞めるでしょうか?そして、そのような社員に対して上司はどのように接しているでしょうか?

 上司は部下を”よいしょ”する必要は全くないと思います。一方で、新卒入社した社員は仕事について知らない人たちです(もちろん、採用時点でそのような仕事の辛さの部分を伝えることができればミスマッチの現象に関わるかもしれませんが)。ただ、上司にとっては当たり前の仕事や習慣が、新人にとっては当たり前ではないということは、今一度考え直す余地があるのではないでしょうか。

 

企業を去ることが必ずしも悪いとは限らない

そもそも、企業を去ることが必ずしも悪いことなのか

 これまでは、仕事を辞めないための視点について話してきました。しかし、一方で、仕事を辞めないことは本当に正しいことなのでしょうか。

 確かに、お金を払って教育した社員がいなくなるということは、それまでのコストに対するリターンがなくなってしまいます。しかし、本当にリターンはないのでしょうか。

辞めた人材と関わりを持ち続けられれば、大きなリターンになる

 社員がいなくなることは、必ずしもデメリットではありません。辞めた社員を通じて、ネットワークができるのです。

 社員が他の企業にいくということは、その瞬間に同僚だったAさんは他社のAさんになります。それがこれまでに関わりのあった企業であればより強固なつながりを築けますし、これまで関わりのなかった企業であれば、それは新たなネットワークになります。

 そして、新たなネットワークに触れることは、新たなアイディアの種をもたらしてくれます。そこで新たなビジネスを始めることができれば、そのリターンは十分大きいのではないでしょうか。

 実際、アメリカのシリコンバレーではこのようなことが頻繁に起きています。Googleを去った社員が起業し、スタートアップを成長させ、成長したスタートアップをGoogleが再び買収する、なんてこともあります。

 つまり、大切なことは社員を辞めさせないことではなく、社員と正しい関係を築くことなのではないでしょうか。

 

3割が会社を離れる中で、企業がやるべきこと

 

 以上のことを踏まえると、企業がやるべきことは、ミスマッチを防ぐことではなく、入社した社員の育成を正しく行うことであると僕は考えます。

 まず、企業と学生のミスマッチは起こるものであるということです。企業にとっての損害を減らしたいのであれば、入社した人材を正しく育てることの方が重要であると考えます。

 次に、正しく育てた人材は社内外で企業に利益をもたらす可能性が高いです。先ほどはネットワークの話をしましたが、某マーケティング会社や某コンサルティングファームのように、”卒業生”の活躍によって就活市場で高い人気を誇る企業も存在しています。

 最後に、正しく人を育てられる企業は、新卒だけでなく、中途の社員も正しく獲得しやすくなります。成長を志す転職者の受け皿になることができれば、良い人材を確保しやすくなるのではないでしょうか。

 

まとめ

  • 新卒の学生が企業を離れるのはある意味自然なことである
  • 企業はそれを割り切って、採用後のプロセスにおいて正しく社員を育てるべき
  • 企業において正しく成長した結果として離職するのであれば、それは企業に対して利益をもたらす
  • 離職を減らし、新卒の離職を「良い離職」にするには社員の教育がもっとも重要である

 

バズワードについて真剣に考えてみた〜AI〜

こんにちは、dondakeshimoです。
これからしばらくの間 バズワード と向き合っていこうかと思います。

バズワード

バズワード という単語をご存知でしょうか? 私は最近まで知らなかったので少し先生に聞いてみてから始めましょう。

バズワード(英: buzzword)とは、日本語での意味は、もっともらしいけれど実際には定義や意味があいまいな用語のことで、英語では、特定の期間や分野の中でとても人気となった言葉のことである。 権威付けされたり、専門用語や印象付けるような技術用語。 コンピュータの分野でよく使われるが、政治など広い分野で使われる。(https://ja.wikipedia.org/wiki/バズワード)

なるほど。
現地では技術分野の流行語大賞的な意味合いで用いられていて、 日本ではそれこそ buzzword」がバズワード化している わけですね。

以上を踏まえて、このシリーズ上でのバズワードの定義は

特にIT用語で、一般常識として知られているようで説明してと聞かれれば「...あ、あぁあれな!すごいやつな!!」ってなる類の言葉

とします。

AI (人工知能)

さて、今回バズワードとして選ばせていただいたものはみなさんご存知 AI です。 今回も先生のお力を借りてみましょう。

人工知能(じんこうちのう、英: artificial intelligence、AI)とは、人工的にコンピュータ上などで人間と同様の知能を実現させようという試み、あるいはそのための一連の基礎技術を指す。(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%BA%E5%B7%A5%E7%9F%A5%E8%83%BD)

さすがwikipediaですね。

私が考えていた人工知能

どの電化製品にもAIが搭載されている時代ですが、搭載されているAIってどんなものでしょうか。 1年前の私の回答は

「AIが入っているってことは、機械学習とかディープラーニングとかいうやつで なんかよしなにいろんなことを判断してくれるすごい賢い機械ってことだな」

と考えていました。 今、IT勉強してると主張する方が同じようなセリフを吐いたら、 全力で小馬鹿にされるような気がします。
私の中では

AI = Machine Learning = Deep Learning

だと思っていました。しかし、実は

AI ⊃ Machine Learning ⊃ Deep Learning

という図式だったんですね。ちゃんと勉強を始めるまではさっぱりわかっていなかったという話です。

AI, Machine Learning, Deep Learning

先ほどあげた3つの言葉について考えていきたいと思います。

AI

AIとはwikipediaが教えてくれたように、 人工的に人間と同様の知能を実現させようという試みのことを指します。 例えばこれは、 * 人が空を飛べるようになるための試み * 大儲けするための試み * 世界平和のための試み

などのとてつもなく大きな目標と同格と考えられると思います。

上述の例の一番初め、人間が飛ぶことを考えると、 人間は飛行機、ヘリコプター、ロケット、気球、パラグライダーなど多種多様な乗り物を発明しました。 しかし、そのどれもがハイコストで、いつになったら自動車は空に飛ぶんだとか、 いつになったら人間に羽が生えるのだとか要求もキリがありません。 似たように、人工知能に関してもそのゴールは明確に設定されておらず、 巨大な目標としか捉えられません。

多くの研究分野で取り上げられる題材であり、 またその研究成果も多くの研究分野に貢献します。 よくある話で言うと、途中過程がブラックボックスでも構わないから 人工知能をIT研究家が完成させたとして、そのブラックボックス内を研究することは、 人間の脳を解剖するのと等価な作業になるのではないか、つまり、生物学、医学に 多大なる貢献ができると言う話などですね。

ただし、バズワード化した今ではAIにもう少し広い意味が加えられています。 wikipediaへの記述の通り、AIを実現させるための周辺技術も AIと言う言葉に内包されるわけですね。 この定義によって、下の二つの言葉はAIに含まれることになるわけです。

まとめ: AIは人類の巨大な目標の一つ!(目標達成のための技術も含む)

Machine Learning

機械学習とは、AIを実現するために編み出された技術の一つです。 つまり、AIです!

機械学習(きかいがくしゅう、英: machine learning)とは、人工知能における研究課題の一つで、人間が自然に行っている学習能力と同様の機能をコンピュータで実現しようとする技術・手法のことである。(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A9%9F%E6%A2%B0%E5%AD%A6%E7%BF%92)

やるな、wikipedia先生。 細かく言うと、機械学習とは人工知能の学習能力の部分をコンピュータを用いて実現するための技術 だそうです。

そもそも人間の脳の構造とコンピュータの構造は原理的に大差なく、 両方電気信号のon/offを用いて情報を伝達、計算しています。 そのことから原理的にはコンピュータで人間の脳みそ再現できるのでは? となるわけですね。

ちなみにこの概念も * 飛行機開発のための技術 * 自動で株価を予想し勝手に収入を得るための技術 * 世界から戦争をなくすための技術

などと大差ない概念として捉えることができると思います。 これ自体も特定の技術を指す言葉ではないんですね。

まとめ: 機械学習は人間の学習能力をコンピュータ上で再現するための技術の総称

Deep Learning

おりゃ!!

ディープラーニングまたは深層学習(英: deep learning)とは、(狭義には4層以上[1][注釈 1]の)多層のニューラルネットワーク(ディープニューラルネットワーク、英: deep neural network)による機械学習手法である[2]。深層学習登場以前、4層以上の深層ニューラルネットは、局所最適解や勾配消失などの技術的な問題によって充分学習させられず、性能も芳しくなかった。しかし、近年、ヒントンらによる多層ニューラルネットワークの学習の研究や、学習に必要な計算機の能力向上、および、Webの発達による訓練データ調達の容易化によって、充分学習させられるようになった。その結果、音声・画像・自然言語を対象とする問題に対し、他の手法を圧倒する高い性能を示し[3]、2010年代に普及した[4]。しかしながら、多層ニューラルネットが高い性能を示す要因の理論的な解明は進んでいない[3]。(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%82%B0)

急に饒舌になったwikipedia先生。。。そして難解な言葉たち。負けずに進みましょう!

深層学習とは機械学習の技術のうちの一つです。 ようやく具体的な技術と出会うことができました。

ニューラルネットワークとは、1950年前後あたりに発表された 脳のモデルのひとつです。 そのモデルの大枠は現在の機械学習分野でもそれほど変化していないと読みました。 つまり、かなり古い技術からスタートしているわけです。 少し脇道にそれますが、現在もてはやされている深層学習ですが、 実は構想自体は1980年代頃から存在しました。 コンピュータの性能が向上し、 インターネットの普及によって大量のデータが入手できるようになったことから、 深層学習はようやく実現可能な理論になったわけです。 周辺環境だけではなく、 理論自体もデータが間違っていても簡単にはモデルを壊されない手法の開発や、 学習した内容をしっかりとモデル全体に伝える手法の開発があり、 囲碁のプロ棋士をボコボコにするコンピュータやらが誕生したりしたわけです。

すみません、私も饒舌になっていました。 上の二つと同様に同じような概念をあげると

  • 飛行機の翼の設計技術
  • 株価を自動で収入を得るために開発されたアルゴリズム
  • 戦争をなくすために設立された国連

みたいな感じだと思います。

この技術の特徴は * 学習にはマシンパワーが必要 * 学習には質の良い大量のデータが必要 * 何を元に機械が判断しているかは多くの場合謎 というものが挙げられます。最後の一行は少しゾッとしますよね。 しかし、この手法で学ぶ場合、機械は目的として設定されたもの以外のことを学習することはできません。 なので、機械が感情を持って我々を浄化しにくるのはしばらく先かと!

まとめ: 深層学習は機械学習の具体的な手法の一つ

巷に溢れているAI製品

さて、ここまで話してAIがいかに大きな意味を抱える言葉かはご理解いただけたと思います。 ここで、現在の私が電化製品に搭載されているAIに対しての回答をご紹介したいと思います。

「AI搭載?やばいね!!」

完全に逃げています! 実際、AI搭載の機械では本当に上述の深層学習のような技術が使われているのかもしれませんが、 実際のところそんなことはわかりませんし、 圧倒的にマシンパワーが必要でハイコストな深層学習をどこの企業も取り入れているとは思えません。 じゃあ、何をさしてAI搭載なのかは謎に包まれていますよね。 正直こじつければ単純なバネだってAIになるんじゃないでしょうか。

ここからは個人的な見解ですが、 一世代前というか、前の機械学習の主流だった手法は ルールベースのパターン認識や判断です

上述の深層学習で判断根拠が謎という話をしましたが、全くの逆で、 判断基準を全て人手で書いていきます。 「だからSEは闇なんだよ!!」と思われた方はご安心ください。 いろんな人が作った判断基準が世に溢れているため、 再利用可能です!有名どころではopencvの顔認識らへんだと思います。

しかしルールベースの技術には限界が見えていたため、現在の主流は移っていったわけですね。 そこで私の予想ですが、今のAIはほとんどこのルールベースなのかなと思っています。 ルールベースのAIも相当賢いです!将棋のプロ棋士に打ち勝ってしまいます! というわけで、AI搭載と記載されている商品が必ずしも超最新のIT技術を取り入れているわけではない ということが伝えたい私でした。

まとめ

  • AIは大きな大きな目標
  • AIに携わるIT技術は現在日進月歩
  • 上記IT技術の学習部分のことを機械学習と呼ぶ
  • 今流行っている機械学習の手法が深層学習
  • つまり、AI搭載は深層学習搭載ではない

でした!! 長々とお読みいただきありがとうございました!