雪道で転ぶ人の姿をみて、事業でコケる企業の姿を連想した話

こんにちは、AZOです。

先週の大雪に続き、今週も雪が降り、自転車通学の僕には油断ならない状況が続いています。この1週間で凍結した道で足を滑らす人を数多く目にしましたが、これをみてふと思ったことがあったので今回の記事を書いて見ました。

 

なぜ凍った道で転んでしまうのか

まず、人が凍った道で転んでしまう現象について考えてみたいと思います。僕は、ポイントは身体の重心の位置にあると考えています。これについて考えるにあたって、①凍った地面で滑ってしまうこと②滑った結果として転んでしまうことについて考えてみます。

 

①凍った地面で滑ってしまうこと

これについては、物理を勉強している方なら大体わかるのではないでしょうか?

凍った地面で滑ってしまう現象は、普通の地面と凍った地面の摩擦の違いによって生じています。ツルツルした地面の上では足を滑らせることは簡単ですが、普通の地面では足を横に滑らせようとすると引っかかりますよね。

しかし、そもそもの摩擦、すなわちツルツルするかどうかとは別のところにあります。

みなさん、凍った地面の上で立っている自分をイメージしてみてください。そのままその場で真上に跳んでみたとしましょう。果たして地面を滑ることはあるでしょうか?

真上に飛ぶだけだったら滑ることはまずないでしょう。これが凍った地面で滑ってしまうことのポイントです。

私たちは歩くときに足をあげて、前に下ろすということを繰り返していますよね?これが普通に足を地面に対して垂直に上げて下ろしていれば、滑ることはないのです。

それにも関わらず凍った地面で滑ってしまうということ。これは私たちが歩くときに、少なからず水平方向に力が加わっていることを意味しています。つまり、私たちは歩いてる時に足を上げて下ろしているだけでなく、横向きにも動かしているということです。

これが、凍った地面で滑ってしまうことの要因です。

 

②滑った結果として転んでしまうこと

さて、凍った地面でちょっと滑ってしまうことはみなさんこの1週間で経験したのではないでしょうか?

しかし、その上で転んでしまう人とそうでない人の違いはどこにあるのでしょうか?

その答えが、重心の位置にあると考えています。

具体的には、上げた足を地面に下ろすときに、体重が後ろの足に残っている人が、凍った道で転んでしまう人です。一方で、転ばない人は、足を着地するときに、重心が前足と後ろ足の真ん中にきています。

これは非常に単純な話です。例えばみなさん、まずは直立の状態で体を後ろに少しずつ倒してみてください。そして、次に足を前後に広げた状態で体を後ろに少しずつ倒してみてください。おそらく後者の方が後ろに倒れる不安な感じが少ないのではないでしょうか?

これと同じことが凍った道では起こっているのです。重心を後ろ足に残してしまうと、少し滑ってしまったときに体勢が大きく崩れてしまい、結果的にツルっといってしまうわけですね。

 

凍った道で転ぶことが、企業の失敗に似ている

さて、凍った道で転んでしまうことについて簡単に述べてきましたが、本題はこちらです。

昨今では、ビジネスは大きく変化しており、企業も持続的に自分たちを成長させていかなければなりません。

 

成長にあたっては、企業は次々と新たな製品を開発したり、サービスを開始したりしていますが、ここにおいても「重心の置き方」が重要になってきます。具体的には、企業は自分たちの製品やサービスではなく、自社の確固たる理念を軸(重心)に据えることで成功を勝ち取ることができるのです。

 

ここで、分かりやすくTSUTAYAを一つの事例として元に考えてみたいと思います。

 

理念に従い、成功したTSUTAYA

TSUTAYAの名前を聞いたときに、皆さんは何を思い浮かべますか?

最近では書店のイメージが強い気がしますが、少し前まではレンタルDVD・CDの事業を中心に全国展開していました。

しかし、映画やドラマをネットで観ることのできるNetFlixなどのサービスや、YouTubeによる人々のみる映像の変化によって、レンタルDVD事業の需要は徐々に減少してきているのが現状です。

 

そんな中、TSUTAYAは店舗を大きく変化させることで、会社としての売上を増加させているのです。

代官山や六本木をイメージしてもらえるとわかると思うのですが、今ではTSUTAYAはレンタルショップではなく、書店であったり、カフェであったりします。

DVDやCDのレンタルをしていた会社がこのような大きな変化を遂げて、成長を続けるのは正直びっくりですよね。

そして、TSUTAYAを経営する会社の理念を調べてみると、このように書かれていました。

「ライフスタイルを提案する」

そうなんです、そもそもTSUTAYAはレンタルショップではなく、ライフスタイルを提供する企業だったのです。

結果として大きな転換に成功し、TSUTAYAは売上の向上に成功することができました。

 

自社の軸を捉えられず、失敗したパナソニック

一方で、自分たちの製品に注力しすぎた結果として大きな損害を受けたのが、かの有名なパナソニックです。かつては製品が広く流通し、なんとなく親近感のあったパナソニックでしたが、今ではあまり名前を聞かないという人も少なくないのではないでしょうか。

パナソニックの失敗、それは2000年代の頭に行われたプラズマテレビへの巨額投資です。

(言われてみれば当時はテレビの高画質を売りにした新製品が次々と出ていた気がしますが)、パナソニックはより高画質なテレビを販売することで売上を拡大しようとしました。

しかし、プラズマテレビは思うように売れず、企業は大赤字を計上することとなりました(プラズマテレビなんて全然聞かないですよね)。

というのも、市場ではより高画質のテレビは求められていなかったのです。さらには海外企業の低コスト製品によってパナソニックの海外売上は思うように伸びず、スマホの普及によってテレビ自体の価値も低下してしまった始末です。

一方で、パナソニックは創設者の松下幸之助さんが掲げた素晴らしい理念が存在しています。本来であれば理念に沿って次世代を支える製品を世に送り出し続けることがあるべき姿であったのにも関わらず、主力製品に重心を置いた結果、このようなことになってしまったと考えられます。

 

変化の激しい世の中だからこそ、根本の価値観を忘れないことが大切になる。

今日の変化の激しい世の中において、自分たちの理念を正しく理解し、それに沿って行動し続けることは簡単なことではありません。大きな組織であればなおさら難しいことです。

しかし、だからこそ自分たちの理念、すなわち根本の価値を一つの大きな軸として持ち続けることがより重要になってきます。

日々の仕事・勉強などとはなかなか結びつきにくい話ではありますが、頭の片隅にでも留めておいてもらえればと思います。

 

根本の価値観を取るべきなのは企業も個人も同じ

最後に、このようなことは企業だけではなく、個人においても言えることです。社会の環境も大きく変わり、個人のキャリア形成も大きく変化する時代がきたと思いますが、大事なのは自分の将来的なビジョンだと思います。

金融の知識、プログラミングスキル、計算能力....自分の強みになりそうな能力はたくさんあると思います、しかし、市場において能力の重要性は日々変化していきます。そして、一つ一つの能力はいくらでも後天的に身につけることはできます。

このような世の中だからこそ、能力ではなく自分のビジョンを軸に人生を設計することが大事なのではないでしょうか。